【レポート】第17回「ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族の情報交換会&茶話会』開催しました
全5回開催された『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族の情報交換会&茶話会』の第5回目、ついに最終回となった11月24日(木)の情報交換会&茶話会の全容をご報告します!
今回記事を書かせていただくのは、『家族のホンネ』で病気と共に生き抜いた娘との闘病生活をまとめた『病気と共に生きるweb版』を書かせていただいている井上(▶自己紹介)です。
情報交換会&茶話会第5回目の参加者さんとスタッフ紹介
今回参加してくれたのは、川上さんと娘の祈來(きこ)ちゃん(生後4ヶ月)です。
そして、医療的ケア児家族当事者兼スタッフとして参加している大石さんと娘の恵愛(えま)ちゃん(2歳)。今回もお父さんと一緒に参加してくださいました!
お父さんも2回目の参加ということもあり、会場への出入りも慣れた様子で、終始えまちゃんのお世話に徹底してくださいました。
大石さんは『家族のホンネ』でえまちゃんのことについて『えまママのホンネ』を書いてくれています。詳しい病状などはこちらで読んでみてください。
そして、私とぱらママのスタッフ1名での情報交換会&茶話会となりました。
超低出生体重児、きこちゃんのこと
いわゆる安定期とされている妊娠5ヶ月までは順調で、エコーでもよく動く元気な子だねと言われていたそうです。
「6ヶ月検診の時には性別もわかり、多分女の子だろうと聞いて主人が大喜びしたことを覚えています。」と、きこちゃんのお母さんが話してくれました。
そんな幸せなひとときが一変。
妊娠6ヶ月を過ぎてから、羊水過少症と診断を受け、当時の職場に休みをもらい自宅療養することに…。
1週間に1回受診し、水分をしっかり取るように心がけること、簡単な家事以外は安静にしておくことを約束し、羊水の量は正常に戻り回復したはずでしたが、その後急変し、緊急入院することになったそうです。
初めての妊娠、出産、不安を抱え、里帰り出産を希望していましたが様態が安定せず、その許可は降りないまま…
妊娠7ヶ月、出産周期24週4日できこちゃんが産まれました。
きこちゃんは出生時の体重が586gの超低出生体重児でした。
低出生体重児という言葉、みなさんは知っていますか?
以前は、小さく産まれたあかちゃんが生きていくために必要な体の機能が未熟なことが多いため未熟児と呼んでいました。
でも、小さく産まれても機能が整っているあかちゃんもいることから呼び方を変え、低出生体重児と呼ばれるようになりました。
さらに、体重によって呼び方が異なります。
一緒に勉強してみましょう!
近年、低出生体重児は増えているそうです。
いくつか要因はありますが、ひとつは医療の進歩により救える命が増えたことが大きな要因と言えるでしょう。
これは他の病気の子どもにも関係することですよね。
生まれるのが早ければ早いほど、体が小さければ小さいほど体の機能が未熟なため、生まれてからの医療的ケアが必要になります。
そのため、出生後はNICU(新生児集中治療室)にて治療を受けることになります。
一般的に、低出生体重児は、正出生体重児に比べて免疫力が弱く、重度の感染症や合併症を起こしやすくなります。
【参考:「知っておきたい低出生体重児(≠未熟児!?)のこと」–ユニ・チャーム株式会社-】
きこちゃんの場合は、出生時に脳内出血で水頭症がみられましたが、今は水も減っていて治療は必要ないそうです。
出生後からNICU(新生児集中治療室)で治療を受けながら過ごし、4ヶ月の入院生活を終え、8月に自宅に帰ってきたばかり。
きこちゃんが必要な医療的ケアとしては在宅酸素療法です。
きこちゃんの設定流量は0.25で、退院後も引き続き継続して様子をみています。
出生時589gしかなかった体重は、現在生後4ヶ月で4400gまで大きくなりました!
お母さんもコロナ禍で面会も許されない中での、予期せぬできごと、初めての出産、不安も心配も絶えなかったと思うし、出産後からのお見舞い通院も大変だったと想像します。
ここまで無事に育ってくれて、今日ここで出会えたことに、小さな命の輝きに感激しました。
そして、これからの生活に期待と不安があることも話してくれました。
きこちゃんが通院している病院は国立病院機構 岡山医療センターです。
訪問看護は小児専門の訪問看護ココロステーションmimoさんを利用していて、週に1回訪問があり、お風呂に入れてくれたり、リハビリをしたり、退院して間もない生活を支えてくれる心強い味方になってくれているそうです。
今後もきこちゃんの成長を、一緒に見守らせていただこうと思います!
最終回のスペシャルゲストは…!?
そして、情報交換会&茶話会の最終回にスペシャルゲストとして参加して熱弁してくださったのは…
写真にもしっかり映ってくれているエールの平田社長です!
平田社長は「この情報交換会&茶話会を続けてほしい!」と懇願してくださっています!
「当事者の立場で開催してくれることが、本当にありがたい。
ぜひ、たくさんの方に知ってもらって、来てもらって、繋がりができてほしい。
いろんな事情があってここに来れない方もいらっしゃると思う。
だけど、こういう活動を続けていくことが大事!
来られなくても『こういう居場所があるんだ」』って知ってもらえることに意味があると思う!」
と、熱弁してくださいました。
まさに、私と大石さんが感じていた「想い」と同じでした。
月に1度でいい。
誰も来なくてもいい。
絶やさず続けること。
ここにいるよ!って存在し続けること。
それは、自然と今回の情報交換会&茶話会を体験した私たちの目標になっていました。
そんな私たちの「想い」と同じ想いで見守って応援してくださる平田社長に感謝の気持ちでいっぱいです。
今後の活動も協力してくださることを約束してくださいました!
今後ともよろしくお願いします!
今回の情報交換会&茶話会の会場であるエールさんの魅力はこちらから↓↓↓
『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』第1回 開催しました!
情報交換会&茶話会全5回を終えて感じたこと
このたびの情報交換会&茶話会では、スタッフとして、医療的ケア児家族として、悩みを抱えていた当事者として、全5回すべてに参加させていただきました。
急遽はじまった第1回目から第5回目まで、約2ヶ月に渡りましたが本当にあっという間に過ぎた時間でした。
毎回、予定していた1時間にはおさまらず、話がたえず、もっと話したい!もっと聞きたい!の詰まった会で、出会いと学びと感謝の連続でした。
今回情報交換会&茶話会に参加してくださった方からはこんな嬉しい声をもらっています。
「はじめましてなのに、気さくに話しかけてくれて嬉しかった」
「育児のいい息抜きになった」
「同じような悩みを抱えている人に出会えて、いろいろと話せて安心した」
「自分の知らない情報を知ることができてよかった」
「同じような志しをもった母親に出会えてうれしかった」
「ぜひ、今後もこういう会を開催してほしい」
同じような悩みを抱えていることを、こうやって直接会って話ができることの有り難み、楽しさ、心強さをみなさんにも感じていただけたように思います。
私たちは今回の経験を活かし、今後も医療的ケア児とそのご家族と繋がる場を作りたいと強く思います。
そう思わせてくれたのは、なりより今回情報交換会&茶話会に来てくださったみなさまのおかげです。
そして、会場として利用させていただいたエールさん、また、情報交換会&茶話会を企画してくださり、私たちをスタッフとして選んでくださったぱらママさんのおかげです。
みなさんの「続けてほしい」という声を大切に・・
今後も私たちにできることをしていきたいと思います。
情報交換会&茶話会第1回・第2回・第3回・第4回記事まとめ
これまで開催した情報交換会&茶話会でのできごと、私たちが感じたことなどは、今までの記事に詰め込みました。
ぜひ、読んでみてください。
第1回から第4回まで、各回ごとに魅力がぎっしり!
各回ごとに違う学びをさせてもらうことができました。
『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』第1回 開催しました!
第1回では、「医療的ケア児って?」「どんなところでしてるの?」「どんな人がどんな思いでなにするの?」という疑問にお答えしています!
『居場所づくり』が今回の茶話会の目的です。だから『繋がりたい!』のです。
『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』第2回 開催しました!
第2回では思わぬハプニングが起こりました!!!
『ピンチはチャンス!』頼ることは最大の武器!
一緒の時間を過ごせることの大切さも互いに感じることもでき、いろんな繋がりに感謝できる時間となりました。
『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』第3回 開催しました!
第3回では、当事者家族の思いや悩みを共有したり、当事者家族から支援者側へと自然と行動をはじめられた方の思いなども聞くことができ、いろんな「想い」を感じることができた貴重な1日となりました。
「ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族の情報交換会&茶話会』第4回開催しました
第4回では、私たちと同じように居場所や情報を求めている当事者家族に出会いました。
それぞれの経験談から同じような悩みを抱えていることを知ることができたり、施設や書類申請について知らなかった情報や知識を共有したり、当事者家族が集う居場所として意味のある時間を過ごすことができたと感じられる1日となりました。
本事業は公益財団法人橋本財団の助成を受け、2022年4月より実施しています。