【レポート】第12回『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』 開催しました!
全5回開催予定の『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』第1回目となる2022年10月13日(木)に開催された情報交換会&茶話会の全容をご報告します!
今回記事を書かせていただくのは、『家族のホンネ』で病気と共に生き抜いた娘との闘病生活をまとめた『病気と共に生きるweb版』を書かせていただいている井上(▶自己紹介)です。
このたびの情報交換会&茶話会では、スタッフとして、医療的ケア児家族として、悩みを抱えていた当事者として、全5回すべて参加させていただく予定です!
よろしくお願いいたします。
「医療的ケア児」って?
まずはじめに、今回の情報交換会&茶話会の参加者さんは「医療的ケア児とそのご家族」です。
「医療的ケア児」って?
自分の子どもはどうなんだろう?
と思う方もいるのではないでしょうか?
私も娘が医療的ケア児に該当すると知ったのはつい数年前のことでした。
生後2ヶ月のころから酸素療法を受けていたにも関わらず、「心臓病」という認識だけしかなく、
10年以上も娘が医療的ケア児だということを知らずに過ごしていたのです。
昨年、2021年9月には『医療的ケア児支援法』が施行されたこともあり、さらに認識されて、支援が充実していくことを期待したいところです!
ということで、ここで改めて「医療的ケア児とは?」を一緒に確認したいと思います。
【引用:医療的ケア児等とその家族に対する支援施策-厚生労働省-】
まとめると
医療的ケア児とは
『日常的に医療行為(人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引、気管切開の管理、 鼻咽頭エアウェイの管理、酸素療法、 ネブライザーの管理、経管栄養、 中心静脈カテーテルの管理、 皮下注射、血糖測定、 継続的な透析、導尿 等)を受けることが不可欠な18歳未満の児童』
ということになります。
ひとつでも該当する場合、医療的ケア児ということになります。
今回の『ほっと一息。医ケア児とそのご家族の情報交換会&茶話会』は日常的にがんばって治療を受けているお子さんとそのご家族にお越しいただきたいのです。
訪問看護ステーションエールさんのイベントスペースは魅力的
『ほっと一息。医ケア児とそのご家族の情報交換会&茶話会』の会場は、娘も利用させていただいていた訪問看護ステーションエールさんの事務所内です。
こちらの事務所は昨年新しく新設されたばかり。
とてもきれいで内装もインテリアもおしゃれ!
入口の玄関から広くて開放的でかわいい!
なにより、今回会場となったスペースが最大のPOINTなんです!
この空間は訪問看護ステーションエールの平田社長が懇願の「みんなが集える居場所」です。
日頃はスタッフでミーティングをしたり、お弁当を食べたりして活用しているようですが、毎週金曜日にはこの地域に暮らす人々が気軽に立ち寄れる「まちの居間」を作ろうという思いで、だれでも気軽に立ち寄ってお話できる『ima cafe(イマカフェ)』を開催されていたり、さまざまな交流を持ってほしいとイベントなどに利用できるスペースとして設けられています。
平田社長はみんなの笑顔が大好きで、みんなの幸せを心から願って突き進んでいるから、スタッフさんもみんないい人ばかり。
平田社長がいつも笑顔なのでつられて笑顔が増えていく…とても居心地のいい空間ですよ。
訪問看護ステーションエールを利用していなくても全然大丈夫!
はじめての方もウェルカムな居場所です。
空調管理もしっかりされていて、テーブルも、いすも、ソファも、ソファに座っているスヌーピーもムーミンも、本棚の本も自由に利用していいんです♪
すぐ隣にはスタッフが常駐しているので、なにか困りごとがあってもすぐに相談できます。
ちょっと見てみたい、行ってみたい…と思ったあなた!ぜひ次回一緒に見学しましょう♪
情報交換会&茶話会第1回の参加者さんとスタッフ紹介
そんな訪問看護ステーションエールで第1回目の情報交換会&茶話会を開催しました!
今回は十分に告知できていなかったのですが、1組の親子が参加してくださいました。
杏(あん)ちゃん(5歳)と杏ちゃんのお母さんです。
杏ちゃんは産後すぐに中心中間欠損症が発覚し、生後40日のとき心臓の受診をした帰りに交通事故にあい、緊急手術を受けました。
右足は義足で生活していましたが、この8月に手術を受けたばかりで、この日も外来の帰りに寄ってくれました。
杏ちゃんのお母さんはアクティブでフットワークが軽く、とても社交的。
杏ちゃんはちょっぴり人見知りなところもあるみたいですが、少し恥ずかしそうにしながらも、にこにことご機嫌で過ごしてくれました。
一緒に写真に映っているのは、今回医療的ケア児家族当事者兼スタッフとして参加している大石さんと娘の恵愛(えま)ちゃん(2歳)です。
大石さんは『家族のホンネ』でえまちゃんのことについて『えまママのホンネ』を書いてくれています。詳しい病状などはこちらで読んでみてください。
そして、ひなんピングのスタッフ1名と私、今回はこのメンバーでの情報交換会&茶話会となりました。
話題は「どうしたら繋がれるか」
今回集まったお子さんたちの病気はそれぞれ違いました。
でも、自然と話は盛り上がりました。
日常の悩み、先が見えない未来への不安、書類のことや受けられる支援について、知ること・繋がることの難しさ…
病気が違っていても、医ケア児家族として同じような悩みを持って過ごしているのだと、今回改めて感じました。
そのなかで1番の話題は「どうやったらこういう場に参加しづらい人たちにも来てもらえるだろう?」でした。
本当に困っている人ほど、こういう場には来られないんじゃないか、という話になったのです。
私も娘がいた頃はそうでした。
娘の体調がまず1番。
体力もないし、愛想もできない。
幼稚園や学校などとの兼ね合いで、すぐに疲れてしまう。
こういった交流の場に行こうとしても、娘の体調が悪かったり、疲れていたり、娘が乗り気じゃなかったり、親の私自身が人見知りで初対面の人に会うのもそういう場に行くことすら億劫だったりして、参加してみたいけどなかなか行動に移せないまま…
気がついたら、悩みを共有できる相手が、娘にも私にもいない状態で、生きづらさを感じるようになっていきました。
だからこそ、「同じようにそういう場に行きづらい人にこそ来てもらえる茶話会にして、みんなで繋がっていきたいね」と、話しをしました。
子育てをしていくなかでたくさんの壁にぶち当たって悩むことは普通に起こることです。
医療的ケア児家族はそれ以外にも病気のこと、家族のこと、書類のこと、手帳のこと、学校のこと、支援のこと…たくさんの抱えきれない悩みが出てくるはずです。
小さなつまずきでも、大きな重荷になることもあります。
小さなつまずきや、小さな愚痴の段階で話せる相手、居場所を見つけて、吐き出してほしいです。
そうすれば軽い荷物のまま、置いてきたり、解決することができるから。
楽になって、また頑張れるのではないかと思います。
それに、病気のしばりなく集まれる場で話せることで、いろんな先輩ママと出会う機会も増えると思います。先輩ママの存在はとても力強いものになると思います。
たくさんの経験を積んでいるからこそ、失敗も成功も知っていて、悩みや不安な気持ちを軽くしてくれることもあると思います。
子どもたちも自然と仲良くなって輪が広がっていくといいなと思います。
この情報交換会&茶話会を繋がるキッカケにしてほしいのです。
WEB版個人避難計画書「イッツミー!」の登録をしてみよう!
最後に、「イッツミー!」の登録を一緒にしてもらいました。
イッツミーとは・・・避難計画、成長記録、病名や薬の記録、自己紹介等、デイサービスやショートステイ、診察時や引越し等、普段から使えて、入力保存編集が楽しく簡単にできます。
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「イッツミー!」はお子さんの情報をひとつにまとめて管理できる画期的なシステムになる予定です。
ぜひ登録して実際に入力した上で、ご意見をお聞かせください!
「ここはもっとこうしたほうがいい」
「もっとこんな情報を入力したい」
など、なんでも教えてほしいです。
実際にこのシステムを使ってほしいのは医療的ケア児とそのご家族です。
「こんなのほしかった」を一緒に実現しませんか?
次回の『ほっと一息。医療的ケア児とそのご家族のための情報交換会&茶話会』は
2022年10月20日(木) 14:00~15:00
訪問看護ステーションエール で開催予定です。
おいしいお菓子とお茶をご用意してお待ちしております♪
本事業は公益財団法人橋本財団の助成を受け、2022年4月より実施しています。