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2024/06/05 勉強会

【レポート】第1回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

【レポート】第1回目 医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座

地域ぐるみで実施する「医療的ケア児の避難訓練支援プロジェクト!」始動!でもお知らせしたとおり、ひなんピングでは、2024年夏に全国的にも事例の少ない医療的ケア児の避難訓練を、訪問看護ステーションyellとyellの利用者さんの協力のもと実施します!

まずは「サポートに入る人支援者が正しい知識や共通認識をもつこと」が重要であると考え、全5回医療的ケア児の避難訓練支援者養成講座を実施します。

今回は、第1回目の支援者養成講座が終了しましたので当日の様子をご報告します!

開催概要

開催日:2024年5/28㈫ 14:30~  
テーマ:避難行動要支援者とは(在宅療養者や医ケア児の実際)

対象者:・地域の防災担当者、市町村の防災担当者、防災などに興味をお持ちの方、災害時支援などお考えの方、支援者、医療関係者、当事者ご家族 etc…
講師:岸 美緒 氏

講師

講師は、助産院 With moms 代表看護師として助産師をされていて、特定非営利活動法人こもれびroom 理事長でもある岸 美緒氏でした。

福岡出身で、高校2年生のときに起こった阪神淡路大震災を目の当たりにし、テレビ越しに活躍している自衛隊員を見て「自分も災害の時に役に立てたらと思い自衛隊になり、その後看護師になった」という岸さんは、現在は岡山在住で中学1年生、小学4年生、4歳のお子さんを子育てしながら、さまざまな活動をされています。

中学1年生の息子さんとは毎年防災講座に参加し、防災検定も受け、防災について親子で学んでいるそうです。

当日の様子

画像や動画を用いながら、要項をかみ砕いて解説していく内容となりました。

講座の実施時間は60分強、参加者は8名でした。

まずはじめに、ひなんピングスタッフよりご挨拶と支援者養成講座についての説明がありました。

支援者養成講座は医療的ケア児、その他支援が必要な方のため、そしてそのご家族の支援のために実施しています。

この講座をきっかけに「支援とは何か」について学んでいただければと開催しております。

医療的ケア児のサポートをするために、まずは基礎の部分を学ぶため次の4つの要項を学びました。

「1.医療的ケア児とは」では、医療的ケア児の対象とされている14項目のケアについて説明がありました。

一口に「医療的ケア」といっても、14項目もあること、またそのケアは個人で少しづつ異なることも想定されます。

支援者養成講座を受けても、専門的な免許がなければ医療行為はできませんが、最低限の知識として知っておきたい内容です。

「2.医ケア児の実際」では、さいたま県に住む1歳児、先天性ミオパチーの富士くんの紹介動画を共有しました。

富士くんが必要な医療的ケアは気管切開、経管栄養など、見守りケアが24時間必要な状況で、現在は週2回保育所に通っているそうです。

身近に医療的ケア児がおらず、イメージが持ちにくい方にも医療的ケア児の様子が伝わったのではないでしょうか。

「3.避難行動要支援者とは」では、対象者の確認、避難場所の確認、ハザードマップの確認、1ヶ月分の食料やケア用品の確認、個別避難計画書の作成、医療機器の充電機能の確認、家族と支援者での安否確認情報の確認、市町村の「災害時要援護者登録制度」に登録しておく、などのお話がありました。

市町村の「災害時要援護者登録制度」に登録しておくことで、地域の方との連携が取りやすい環境づくりに一歩近づく可能性を感じますね。

利用できそうなこと、事前に対策できそうなことを各自、ご確認ください。

最後に「4.イッツミー!を見てみよう」では、ひなんピングが構築している「イッツミー!」(医療的ケア児自己紹介カード)の登録について話がありました。

事前にお子様について情報を入力していただくことで災害時に医療従事者・支援者のスムーズなサポートを可能にします。

イッツミーに登録していただければ、クラウド上でお子さんの必要な情報が共有できるようになります。

ご登録がまだの方はこちらからご登録できます。▷イッツミー!医療的ケア児自己紹介カード

参加者さんの声

ご参加いただいたのは、医療的ケア児当事者ご家族、当事者家族でありながら自分の経験を活かし支援できる立場にもまわりたいという方、医療的ケア児の受け入れがある事業所のスタッフの方など岡山県外からの参加者もありました。

当事者家族が参加してくださっていたので、実際に避難準備や避難時のイメージをどのように考えていたかなどのリアルな話を聞く時間も持てました。

ケアが必要なお子さんが成人している当事者家族の貴重なご意見では、防災の備えとしてケアグッズなどを1ヶ月分は準備していたそうです。

今は入所施設に入られているそうで、避難時は施設内になるので安心してお任せしているそうが、「これまで自宅で一緒に過ごしていた時期には『自宅避難』しか考えていなかった」とおっしゃっていました。

実際に医療的ケア児の避難は『自宅避難』が最優先に考えられているようです。

それは身につけなければならないケア用品や使用機器が多くあり、移動が困難なことが理由にあげられると言えるでしょう。

でも、『自宅避難 』が難しい場合もあることも想定して、外へ避難するパターンも考えておく必要があるでしょう。

そういったときに、ひなんピングが実施したい『キャンピングカーでの避難』が心強いものになるという意見もいただきました。

衛生面、個室の確保、発電、蓄電、空調管理など、医療的ケア児にはうれしい機能を兼ね備えたキャンピングカーでの避難が実現するように、「ひなんピングの構築実現を期待しています!」と、講師の岸先生からも激励をいただきました。

また講座終了後に、参加者の声として「自宅で過ごす上で、1番関りのある訪問看護と連携を取ることが安心に繋がる」というご意見もいただきました。

医療的ケア児の避難訓練として、地域連携を目指して始動した今回の支援者養成講座ですが、実際に避難するときをイメージしたときに「頼りになる人」にあげられるのが、日頃からケアをいっしょにしている訪問看護師や預け先の事業所のスタッフ、学校の先生や看護師などになるのかもしれません。

医療的ケア児と日頃から関りのある方たちは、各自で避難訓練や防災について学んでいることと思います。

でも、実際に避難するときのことを一緒にイメージするには、日頃から関りのある方にも今回の講座を受けて、避難訓練に参加してもらうことができれば、共に考え、体験してもらえる時間になり、お互いに安心なのではないかと思いました。

地域連携とは?だれのことを指すのか?今一度、ひとりひとりが自分に問いただしてみてください。

医療従事者、事業所のスタッフ、学校の先生だけでなく、日頃関りがなくても「身近に住まわれている方の中に要支援者がいるかもしれない」

そんなときに差し伸べられる手を、ひとつでも多く作れる環境作りを目指しています。

第1回目を見逃した方もご安心ください!

第1回目「避難行動要支援者とは(在宅療養者や医ケア児の実際)」の講座動画は後日視聴可能です!

※ただし、限定公開のため指定のURLからでないと視聴できません。

ご興味のある方は、下記よりお申込みくださればご視聴可能です。
申込期間は終了しております。
お申込みいただきありがとうございました。

第2回目以降の講師のご紹介

山中 弓子 氏

所属:親子支援災害看護支援「てとめっと」代表
日本災害看護学会会員
青年海外協力協会(JOCA)災害支援チーム能登町ベースマネージャー
資格:看護師、防災士
日本セラピューティック・ケア協会認定セラピスト
国際リドルキッズ協会認定タッチケアセラピスト
(トラウマを受けた子どものためのタッチケア・NICUタッチケア・ベビーマッサージインストラクター他)

2018年に岡山県倉敷市の真備で起こった水害現場での支援活動の経験をもとに、避難の実態と避難時の注意点などについて教えていただける内容となっています。

あなたの想いが、誰かのためになる!

いっしょに支援者養成講座を受講して医療的ケア児のサポーターになりましょう!

支援者養成講座の詳しい日程や概要はこちらの記事をごらんください。

受講者募集!申込み・お問い合わせはこちらまで

受講希望の方はお電話または下記申し込みボタンをクリックして必要事項を入力後送信してください。
申込期間は終了しております。
お申込みいただきありがとうございました。

不明点などありましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問合せ
086-238-8037(平日9:30~15:00)

主催 NPO法人輝くママ支援ネットワークぱらママ(https://paramama.jp/)

この事業は、ドコモ市民活動団体助成事業の助成を受けて運営しています。

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