「要配慮者の避難課題」医療的ケアが必要な子どもたちのための「ひなんピング」 Vol.4
医療的ケアが必要な子どもは「要配慮者」です。
※「要配慮者」=食事・排泄・移動等がひとりでできないなど一般の指定避難所等での避難生活が困難な方
一般的な避難所以外の場所を避難所として使用することができます。
できるのはできるのですが・・・課題が山積みです。
福祉避難所は高齢者施設
政令指定都市である岡山市が用意する福祉避難所の多くは高齢者施設です。
他市町村を見ても、岡山県内は高齢者施設や障碍者施設が多く、有事に機能するのか不安があります。
自治体の指示を待たず直接避難することはできません。
また、必ず避難所としての機能を備えた形で開設しないといけないという約束はありません。
平時にはその施設を利用する方がいらっしゃいますし、有事には優先的にその利用者さんを受け入れるはずです。
そういった理由から開設されない場合もあります。
岡山市の福祉避難所 → https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000003818.html
岡山県の福祉避難所一覧 → https://www.pref.okayama.jp/uploaded/life/569264_5948867_misc.pdf
避難可能なのは本人と介助者1名のみ
福祉避難所が開設され、自治体の指示により入所できるようになったとしても、家族で避難することはできません。
支援が必要な本人と介助者1人だけです。
家族でバラバラに避難することになります。
要配慮者は医ケア児だけではない
福祉避難所を利用できるのは、医ケア児だけではありません。
- 身体障害者(視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者等)
- 知的障害者
- 精神障害者
- 高齢者
- 人工呼吸器、酸素供給装置等を使用している在宅の難病患者
- 妊産婦、乳幼児、病弱者、傷病者 等
地域に住む要配慮者が多い場合は、優先順位があり、必ず入所できるとは限りません。
在宅避難か自家用車による車中泊避難
では、医ケア児家族は日頃の備えをどうしているのか?
在宅避難のために、医療機器のバッテリーや手動式の医療機器などを準備し、さらに、ご家庭によっては発電機なども常備しているそうです。
でも、あくまで「ご家庭によって」です。
発電機は高価ですし、メンテナンスが大変です。
動かすための燃料も必要です。
何より重い!
また、自宅以外の場所で寝泊りする経験がない方が多く、有事の外泊が想像できないかもしれません。
不便な環境の中で、どこまで医療的ケアができるのか?
介助者の多くは母親ですが、すべて母親が背負う大変さは計り知れません。
基本的には、自分の身は自分で守る!ことが大切なことではありますが、限界があると思います。
「ぼうさいやどかり おかやま」
岡山県の医師会有志が「ぼうさいやどかり おかやま」という名称で、医療的ケアを要する要配慮者のための避難支援をはじめました。
事前の登録により、病院やクリニックなど、有床の医療機関を避難所として利用できるそうです。
まだまだ周知ができていないし、避難所として登録する施設が足りていないのが現状。
医療従事者のみなさまは、有事には自身が被災する可能性がありますし、
所属する医療機関での対応で手いっぱいになります。
医療機関によって、受け入れ要件が異なるようなので、まずはかかりつけ医に相談ですね!
課題山積み医ケア児の避難
自治体だけではこれらの課題は解決できないでしょう。
自治体だけに頼るのではなく、私たち民間の力も必要なはずです。
コロナのせいで思うように動けませんが、方法はいくらでもあります!
立ち止まることなく、方法を変えながら避難アシストができるように進んでいきます(^^)/