もしも家で火災が起きたら?家庭用消火器の選び方
家に消火器がある人はどのくらいいるでしょうか。
家に消火器を置いていても、その場所に適したものではないかもしれません。
消火器は設置場所に合ったものを選ぶことが大切です。
今回は、家の中で起こる火災の種類や消火器の必要性、家庭用消火器の選び方などを紹介していきます。
家で起こりえる火災
火災の原因にはいろいろなものがあり、家で起こる可能性があるものは以下の6種類です。
・紙や木材、布などの可燃物による「普通火災」
・コンロの放置や消し忘れなどによる「コンロ火災」
・電気コードの発火や漏電などによる「電気火災」
・石油ストーブなどが原因で起こる「ストーブ火災」
・たばこの火の不始末による「たばこ火災」
・火事を起こす目的で火を付ける「放火」
年間を通して、コンロ火災、たばこ火災、放火、ストーブ火災の順に発生件数が多い傾向です。
特にコンロ火災は、付けっ放しや消し忘れによるものが多いです。
普段使い慣れていると気が緩みがちになってしまうので、火を扱う時はくれぐれも気をつけましょう。
家庭用消火器の必要性
火災発生時には身の安全を確保するのが最優先です。
ですが、消火器や水を使って初期段階で消火できると被害が最小限で済みます。
隣接する住宅に炎が燃え移ることもなくなり、近隣住民への迷惑も少なくなるでしょう。
ただし、台所のコンロ火災の中には、水での消火が逆に危険になる場合もあります。
天ぷらの油が燃えているケースが良い例です。
水をかけると油が飛び散り、急激に炎が拡大しとても危険な状態になってしまいます。
このような場合では、消火器を使うのが最適です。
消火器による初期消火の成功率が約80%であることから、家庭に消火器を常備しておく必要性は高いと言えます。
家庭用消火器の選び方
家庭用消火器を選ぶ時は、ABC火災に対応しているか、認証・検定マークがあるかを確認しましょう。
ABC火災とは、消防法で分類されている3つの火災をまとめた総称です。
A火災・・・木材や紙などの可燃物による火災
B火災・・・ガソリンなどの可燃性液体による火災
C火災・・・電気設備の故障などを原因とした火災
ABC火災対応の消火器1つで、幅広い火災に対処できるのでとても便利です。
消火器の認証・検定マークには、「住宅防火安心マーク」や「NSマーク」などがあります。
これらは鑑定試験に合格した優秀な消火器の証しです。
消火器の認証・検定マークがあるものなら安心です。
家庭用消火器の種類
家庭用消火器は、粉末タイプ、液体タイプ、エアゾールタイプの3種類に大きく分けられます。
粉末タイプ
粉末タイプは私たちが主にイメージする消火器です。軽量で低価格な商品が多く、加圧式と蓄圧式の2種類に分かれていて、どちらも放射距離は3〜8mほどとなっています。
加圧式は一度噴射を始めると途中で止められませんが、圧力計が付いている蓄圧式は、噴射している途中で止められます。
粉末タイプのデメリットは、充満した粉末で視界が遮られる点と、近くに可燃物があると一度消火できたように見えて再燃する場合がある点です。
また、使用後は周囲が粉だらけになってしまうので後片付けが面倒です。
液体タイプ
液体タイプは、消火薬剤が液体になっている消火器で、冷却効果と浸透率の高さから再発火する可能性も低く、粉末タイプより使いやすく片付けやすいのが特徴です。
特に天ぷら油の火災に強いので、台所に1つあると助かります。
多少手間取ってもしっかり鎮火できるので便利ですが、粉末タイプと比べると値段が高くなります。
エアゾールタイプ
エアゾールタイプは、噴射したガスで酸素を一時的に遮断させて鎮火する消火器です。
女性や年配の方でも持ちやすい軽さで、電気施設や精密機器を傷つけずに消火ができます。
ですが、薬剤の内容量が少なく、大きな火災や天ぷら油火災には再燃する可能性が高くなってしまうので、あまり向いていません。
まとめ
今回は、家庭用消火器について紹介しましたが、いかがでしょうか。
いくら自分が気を付けていても、家で火災が起こる可能性が0になることはありません。
初期消火の時点で対処できるように、使う場所や火災の種類に合わせた消火器を設置しておきましょう。