災害時における断水時の飲料水と生活用水の確保
災害が起きたとき、電気、ガス、水道のライフラインが壊滅し機能しなくなったときの想定はできていますか?
「災害時に困ったこと」を調べてみると『生活用水と飲料水の確保』が上位にあがっていました。
普段の生活の中でも、わたしたちの命を繋いでくれる水がなくては生きていけません。
そこで、この記事では、災害時に具体的にどのようなことに困るのか。
それに対するさまざまな対処法、日頃から備えられること、おすすめのアイテムについてご紹介します!
知っておきたい災害時の断水知識
災害が起きたとき、断水が起こるにはいくつか原因があります。
台風では停電の発生で、高台やマンションに送付するポンプが止まることによる断水。
水害では川の水が溢れて水道管が壊れたり破裂することで、地域一帯への水道提供ができなくなる状態になることもあるでしょう。
震災では水道管の物理的な破壊による断水、排水管の破裂が多くの家庭に影響を与えるとされています。
このように、災害時の断水の可能性は多いといえるでしょう。
だからこそ、日頃から心得ること、備えることが必要なのです!
災害時の規模にもよりますが、給水車は3~7日程度で来ることが期待できるそうです。
給水車が到着するまでの期間をなんとかしてしのがなくてはなりません!
最低でも3日間分!なんとか確保できるように考えていきましょう。
人間が生きていく上で必要とされている水は、大きく分けて2種類、飲料水と生活用水です。
推進されている飲料水「1日ひとり3リットル」を3日分とされています。
ひとり…3L×1人×3日分=9L
2Lのペットボトルで約5本、よって、ひとり分が「6本入りの1箱」になります。
それとは別に忘れずに用意してもらいたいのが、日常生活において必要不可欠となってくる生活用水です!
生活用水の備蓄は、「1日ひとり10~20リットル」が目安とされています。
トイレの水洗に約6L、手洗いに約2L、食器洗いに約2L、洗濯に約10Lなどを想定したものです。
ひとり…約20L×1人×3日分=60L
2Lのペットボトルで約30本、よってひとり分が「6本入りの5箱」になります。
ここで確認しただけでも、ひとり分の飲料水+生活用水=約20L「2Lのペットボトル6本入り×6箱」の確保が必要だとわかりましたね。
家庭でできる断水時の備え
前述した通り断水したときは飲料水だけでなく、トイレ、おふろ、洗濯、食事などに使用する生活用水も必要不可欠になります。
そこで、家庭で日頃からできる備えを確認してみましょう!
お風呂の水を溜めておく
お風呂の残り湯があれば、生活用水として使用できるとともに、万が一火災が発生した場合には、消火用としても使用することができます。
お湯を入れ直すまでお風呂の残り湯を捨てずにため置きしておくなど、生活用水の確保を心がけましょう。
ペットボトル飲料水を備蓄しておく
ペットボトルの飲料水を常備する人は結構いらっしゃるのではないでしょうか。ですが、保存期間などはご存じでしょうか?
市販のスーパーなどで販売されている水は基本的に賞味期限が半年~1年とされています。いくら開封していないとはいえ、容器が空気や匂いなどを通す可能性があります。
普段から飲料水として常備されている方は、少し多めに購入しておいて「ローリングストック」することをおすすめします。
「保存水」であれば3~15年まで飲むことができます。
2Lか500mlかは、ライフスタイルにあわせて調整することをおすすめします。
また、空のペットボトルはさまざまなシーンで活躍します!
水害のときは、泳げなかったり、溺れているのを助けに行く場合にペットボトルが浮力になり活躍します。
冬の寒い時期は、空のペットボトルにお湯を入れて、2〜3枚のタオルで巻きつけることで簡易湯たんぽになります。
底に穴をあけるとシャワー変わりに、キャップに穴をあけると水道代わりに活用できます。
水を使わないアイテムを用意しておく
はみがきシート、ドライシャンプー、からだふきシート、おしりふきシート、非常用トイレ、トイレの凝固剤、ビニール袋、ペットシーツ、おむつ、瞬間冷却剤など、水がなくても使える防災グッズを持っていれば給水車の到着まで安心して過ごせるでしょう。
これらはめったに使うことがないからこそ、1度どんな感じか事前に試してみることをおすすめします。
給水時にあると便利なグッズ3選!
給水が開始されたときにあると便利なグッズ3選を紹介します!
おりたたみ給水タンク
・給水を受けるために必要
・ペットボトルよりもたくさんの量を一気に運べる
・注ぎ口が大きいので入れやすく無駄がない
おりたたみバケツ
・生活用水として使うときに便利
・洗濯や洗い物に便利
キャリーカート
・重い給水タンクを運ぶときに便利!
災害時断水の際は水の元栓をしめる!
災害が発生した際、ガスの元栓を閉めるということはよく知られていると思いますが、水の元栓を閉める必要があるということは知っていましたか?
断水解除までにやっておきたいことや、知っておきたいことを紹介します。
- 水道メーターの元栓を閉める!
災害時に、水道管や配水管が割れたり外れたりしている場合、断水復旧時に家の中や下の階へ漏水する恐れがあるため、元栓を閉める必要があります。
水道メーターが設置されているメーターボックスの中にある家や、建物全体の水を止める元栓を閉めます。
元栓を閉めておけば濁った水が水道管の中に入るのをできるだけ避けることができます。
- トイレや給湯器(エコキュート)のバルブを閉めておく
エコキュート(給湯器)は精密にできているので、サビやゴミなどの小さな異物でも水が止まらなくなる、あるいは故障する原因になることがあります。
また、断水中にトイレやお湯を使うと、トイレのタンクや給湯器の内部が空になります。その状態で水道が復旧すると、空気、土やサビなどの異物を含んだ水はそのままトイレや給湯器に入り、故障のリスクを高めます。
トイレと給湯器を故障から守りましょう!
- 洗濯機の蛇口を閉めておく
全自動洗濯機をお使いの多くの家では蛇口を開け放しにしていると思います。
洗濯機も故障の原因になるので、忘れずに蛇口を閉めておきましょう。
まとめ
わたしたちが生きるために必要不可欠な水。
いつでも当たり前に手に入れられる日常に慣れることなく、普段から感謝の気持ちをもって【もしも】の時のために準備したり、知識を身につけ、さらに防災グッズをあらかじめ試してみることをおすすめします。
ご自身や大切な家族を守るためにもしっかりと備蓄し、普段からも水道水の使用時には節約を心がけましょう。
そうすることで緊急時も落ち着いて同じように節約を心がけることができるでしょう。
備えあれば憂いなし。
みんなで乗り越えましょう!
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