きちんと備えて準備する、医療的ケア児の防災対策
世界でも災害の多い国として知られている日本。
地震だけでなく、近年は集中豪雨などでの被害も毎年のように発生しています。
いつ起こるかわからない災害に向けて必要なのが、防災対策です。
今回は、医療的ケア児とその家族が、被災したときに慌てないために必要な防災対策を3つ紹介します。
日々の暮らしを安心して過ごせるように、きちんと備えておきましょう。
電源を確保しよう
ゲリラ豪雨による落雷などで、停電が起きることは決して珍しくありません。
大きな災害時には、長時間の停電が続くことがあります。
長時間の停電により、必要な医療機器の電源が確保できないことは、命に直結する重要な問題です。
停電が長時間続いた場合に備えて、電源を確保する方法を考えておきましょう。
電源を確保する注意点として、電源には「正弦波タイプ」と「矩形波タイプ」がありますが、医療機器は「正弦波タイプ」しか使用できない場合が多いことです。
事前に使用している機器を確認して準備しておきましょう。
電源を確保する方法は、4つあります。
専用の外部バッテリー
市販の蓄電器
発電機
車からの電源確保
専用の外部バッテリー
使用している医療機器のバッテリーが着脱可能な場合、予備のバッテリーを準備しておきましょう。
医療機器によっては専用の蓄電池があるので、メーカーに問い合わせてみてください。
バッテリーが何時間使用できるのか確認し、長時間の停電に備えておくことが大切です。
市販の蓄電器
医療機器専用の蓄電池以外に市販されている蓄電器を用意しておくと、より安心です。
容量やサイズはさまざまなので、必要な電力や持ち運びのしやすさなどを考慮して購入してください。
蓄電器は放っておくと放電してしまうので、常に繰り返し充電していつでも使えるようにしておきましょう。
発電機
発電機はガソリンやカセットボンベ、太陽光などを燃料にして電気を発電する機械です。
充電する必要がなく、燃料があれば稼働し続けられます。
ただ発電機は、騒音などの問題があり周囲への配慮が必要不可欠です。
またガソリンを燃料とする発電機は、一酸化炭素が発生するので屋内で使用できません。
実際に使用するときの状況を想定し、購入するようにしてください。
車から電源をとる
自家用車がある場合は、車から電源をとることも可能です。
コンセントがついていない車でも「カーインバーター」という専用の機械を使って、シガーソケットから電源をとることができます。
ただし直接、医療機器に接続すると故障の原因になる可能性があります。
蓄電池やバッテリーの充電に使うほうが故障するリスクは低いでしょう。
避難所について調べよう
みなさんは災害時、どこに避難するか知っていますか?
周辺の建物の倒壊など、危険がある場合は自治体が指定する場所に避難し、身の安全を確保することが大切です。
ハザードマップの確認
自治体が発行しているハザードマップを確認し、避難所の場所を調べておきましょう。
ハザードマップは、各自治体のホームページや役所などで入手できます。
自宅だけでなく、よく行く場所などの避難場所も確認しておくとより安心です。
避難経路の確認
避難所の場所だけでなく、実際に避難すると想定して避難経路を確認しておくことも大切です。
いつも通っている道が、災害時には通れなくなる可能性もあります。
安全かつ迅速に避難できる経路を確認しておきましょう。
避難訓練の実施
突然やってくる災害に慌てず避難するには、日頃から訓練を行うことが大切です。
避難する時に必要なものは何か、避難の準備にどれぐらいの時間がかかるのか。
さまざまな状況を想定し、いざというときに備えましょう。
地域の避難訓練がある場合は積極的に参加して、自治体や役所の協力がどれぐらい得られるか確認しておくことも大切です。
ヘルプカードを作成しよう
ヘルプカードとは、災害時など困った時に周囲の人に情報を伝えるためのカードです。
市区町村の担当窓口や健康福祉センターなどで、配布されています。
各自治体のホームページなどで印刷し、作成することも可能なので確認してみましょう。
まとめ
災害は予測できず、突然やってきます。
災害時に素早く安全に焦らず行動するためには、普段から備えておくことが大切です。
備蓄や、防災リュックにプラスして、自分や家族、医療的ケア児に必要な物を準備したり、避難経路を確認するなど、お子さんとコミュニケーションをとりながら取り組んでみてください。