そして、出産を決意するまでVol.2
それからまた数日が経過し、新生児科の医師の話を聞く日が来ました。
わたしと旦那、そして定期検診がある次男も一緒に行きました。
病院に着き、順番が呼ばれ、まずは診察です。
いつものエコーから始まりました。
「前回の受診から一週間くらいたっているけど、脚の長さは一週間前とあまり変わらない。
つまり成長していない。」と言われました。
その後、一度診察室を出て、しばらく待った後に再度呼ばれ、
新生児科の医師の話を聞きました。
臨床心理士のMさんも一緒に来てくださっていました。
ちょっと話はそれますが・・・
この時の医師は、新生児科の責任者であり恵愛の主治医なんです・・・
この主治医、最初の出会いから衝撃的でした!!
なぜかというと、わたしの新生児科の医師のイメージは、
物腰のやわらかい優し~い医師だったんです。
某ドラマのコウノ〇リ医師のような・・・
ですが・・・初めて会うその新生児科の医師に会った途端、思わず二度見してしまいました・・・
なんと・・茶髪のロン毛だったんです!!
しかもマスクをしているからか年齢もわからない・・・
かなり大切な話をしているのに終始、医師の年齢が不詳すぎて、気になりすぎて・・・笑
しかもその主治医は見た目だけでなく中身もちょっと(大分?)変わってまして・・
優しい言葉はかけてくれないし、
直球なもの言いに何度も心をパンチされ泣かされてきました。
でも、、付き合いも2年以上になる今では
それが主治医のわたしたちに対する『愛のムチ』だということがわかったのです。
「病気のある赤ちゃんを出産するということは決して甘くないよ。」
と、いつもわたしたちに厳しい言葉と現実をありのまま話してきてくれていたのです。
ド直球でちょっとクセのある主治医ですが、、赤ちゃんのことは大好きだということが伝わってきます。
赤ちゃん第一!なので、恵愛のこともわたしたちが知らない間に、たくさんかわいがってくださっているようでした。
(看護師さんからの情報です。笑)
・・・話を戻します。
後に主治医となる、その新生児科の医師の話はこういうものでした。
「お腹の赤ちゃんは、骨の疾患のなかでも
骨形成不全症という2~3万人に1人の難病指定されている疾患である可能性が高い。
そのなかにも型があって、お腹の赤ちゃんは『Ⅱ型』で、
別の呼び方を『周産期致死型』といい、非常に重症度が高いものである。」
赤ちゃんの症状についてはこのような説明でした。
「説明だけではわかりづらいだろうから」と骨の疾患がたくさん載った医学書の一部を
コピーして持ってきてくださっていました。
恵愛はこのコピーのなかの線を引いてある、最も重症の型だろうと宣告されたのです。
さんざんネットで検索していたからか、その現実を説明されても見せられても
「ああやっぱりな」
って感じでした。
医師は、「産まれてきてすぐに、赤ちゃんが呼吸していなければ、
心肺蘇生(しんぱいそせい)の処置をしてNICU(新生児集中治療室)に入ること。
人工呼吸器挿管になること。
それでも生きられる保証はできないこと。
生きられてもおそらく長期の入院になること。
介護は絶対必要な子になるし、家族全体を巻き込むことになること。
そこまでの覚悟があるなら赤ちゃんの可能性にかけてみる価値はある。」
そう言われました。
わたしたち夫婦はそれでも赤ちゃんを産みたいと意思を伝えました。
診察室は重い雰囲気につつまれ、
同席していた医師らをはじめ、臨床心理士さんもびっくりした様子でした。
わたしたち夫婦の無謀(むぼう)な挑戦が幕をあけました。
おおげさではなくその時、本当にそのように感じたのです・・・
医師らはわたしたちが悩みに悩んだすえに、結局は中絶すると思っていたと思います。
診察が終わったあとも、「もし気が変われば今週末ならまだ間に合うから…」
と言ってくれていました。
分娩方法は赤ちゃんのこれ以上の骨折を防ぐため、帝王切開になるんじゃないかとの話がありました。
決断はしましたが、「これからどうなっていくんだろう」と不安は消えなかったです。
「最悪、赤ちゃんはお腹の中で亡くなってしまうかもしれないし、
出産=お別れ・・・かもしれない、、いや、その可能性が高い。
それでもお腹の赤ちゃんには、その命をまっとうして欲しい。」
今までと変わらずわたしは
「元気な赤ちゃんを産む!!を目標に妊婦生活を楽しみたい!」
そう思っていました。
可能性は低くても未知数!
もう後戻りはできない・・・
そう思ってただひたすらに前を向くしかなかったです。
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