そして、出産を決意するまでVol.1
旦那と話をした数日後、胎児CTの結果を聞きに、国立医療センターに行きました。
いつものエコーで赤ちゃんを見ながらCTの結果の説明となりました。
「やっぱり手足が短い。そして両足のひざ下が湾曲(わんきょく)している。」
と医師から説明がありました。
つまり、すでに両足に骨折が見られるということでした。
前回のエコー検査では、骨折が見られないと聞いていただけに正直ちょっとショックでした…。
しかも、もう何回も折れてると医師は言っていました。
CTでは、そんなことまでわかってしまうのですね。
「何回も骨折してるなんて、赤ちゃん痛くないんですか?」
と聞くと、医師は
「痛いかもねー・・」と言いながらもずっとエコーの手を休めることはありませんでした。
「そもそもお腹の赤ちゃんに『痛い』という概念があるのだろうか?」
そんなことをぼんやりと考えながらエコー画像をながめていました。
「あと、やっぱり肋骨が狭いね。
胸まわりが細くて、お腹は赤ちゃん特有のボテっとしたお腹をしているね。」
CTの結果、そういうことがよりハッキリした結果となりました。
「奇跡はそう都合よく起きないよな・・」
でも、お腹の中にいる間はあくまでエコーとCTの画像でしか判断できないから
本当にハッキリしたことは、産まれてきてみないとわかりません。
だから『絶対』ではないそうですが、9割方間違いないみたいでした。
これは恵愛の実際の胎児CTです。
いくら胎児だからといって、20週も過ぎれば骨はハッキリと写るそうです。
見比べる為に、同じ週数の胎児のCT画像を見せてもらいました。
本当にハッキリと写っていました。
頭の骨はエコーで見たらちゃんと映っているけどCTでは写りません。
これは、頭の骨がかなり柔らかいから、なんだそうです。
産まれて約2年経つ今も、頭は怖くなるくらいプニプニと柔らかいです。
そんな感じで、病院に行けばハッキリと現実を突き付けられます。
固く決心していてもやっぱり心は折れます。
次の受診では新生児科の医師の話を聞いて、
(次の記事に書きますが、色んな意味で衝撃の出会いでした!)
そのうえで最終的に産むか産まないかの決断をして下さいと言われました。
この時すでに妊娠21週。
中期中絶が行えるのは22週まで・・
「中絶するなら、新生児科の医師の話を聞いた週の週末にでも入院して下さい。」
とのことでした。
この時の印象は、『中絶』を前提に話が進んでいってるなって感じでした。
医師の顔にも「これだけ赤ちゃんは重症なんだから諦めてね。」
そう書いてあるようでした。
ドラマのように、どんな妊婦さんの気持ちにもに寄り添ってくれる、そんな医師って実際存在するのでしょうか・・
わたしは幸いにも旦那と、赤ちゃんに対しての意見が割れなかったので良かったのですが
こんな大事な決断を、本来なら1週間や2週間なんかで決めきれることでは無いと思います。
こんな時、当時は誰にも相談できず、相談したとしても憐れむような目で見られているようで辛かったです。
こんな辛い想いをしている妊婦さんへ、もっと、病院や自治体のサポートがあっても良いと思うし
今後そういう支援体制が整うことを、強く希望したいと思います。
ここから出産まで、この産科の医師にはたくさんお世話になったし、
信頼し、そして大好きになりましたが、最後までこの時の悲愴(ひそう)なムードは消えないままでした。
この日から新生児科の医師の話を聞く日までの6日間は
急にスイッチ入って泣いてしまったり、情緒が不安定だったりしたけど
わりと元気に過ごすことができました。
でも、毎日色んな葛藤がありました。
「本当に、産まれてくる子は幸せなのか?」
「親のエゴでしかないんじゃないの?」
「産まれて来てくれて、しっかり息をしてくれたとしても、ずっと介護がいるのは間違いない。
わたしはその子を愛して尽くすことができるのか?」
…固く決意したはずの心でも不安に押しつぶされそうになります。
でも不思議と「諦めたい」気持ちにはなリませんでした。
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