お腹の赤ちゃんの病気がわかった日のこと Vol.1
それは妊娠6ヵ月に突入し、いわゆる“安定期”と呼ばれる週になり、辛かったつわりも落ち着いた頃でした。
お腹も少し大きくなり胎動も感じるようになっていました。そんな6ヵ月に突入して、初めての健診の日のことです。
午前の健診だったので、お昼過ぎから仕事だった夫も同席しました。
前回の健診から1ヶ月ぶり。しかも妊娠6ヵ月に突入したので、
「性別がわかるかな~♡赤ちゃんの元気な姿が見られるかな~♡」
なんて、期待に胸をふくらませていました。
人気もあり、待ち時間の長い産院でしたが、わりと早めに呼ばれました。
エコーで赤ちゃんの元気な姿、心臓や頭を見せてもらいすごく安心しました。
エコー画面を見ながら、医院長の医師に、
「性別って、もうわかますか?」とワクワクしながら聞いてみました。
「もうわかるかもね。見てみますね。」
と言ってくださり、エコーで念入りにお股の方を見てくださいました。
ただ性別を見ているだけのはずなのに、なんだかすごく長く感じました。
何かちょっと違う感じ…。真剣に見入ってるように見えました。
性別のこととは関係なさそうだとしばらくして悟りました。
そこからまた念入りに・・・
「手足が短いね。」と一言。
その後すぐに医師は、「ちょっと待っててね。」とその場を離れました。
わたしはお腹を出したまま、夫は椅子に座ったまま、しばらく固まる…
一体赤ちゃんに何が起こっているの…!?
しばらく待った後、副医院長の医師が来て、医院長と一緒に赤ちゃんのエコーを見始めました。
「あ~…はあはあ、なるほど。そうだね…」
副医院長はひとりごとをつぶやきながらエコーを見ていました。
わたしはずっと我慢していた不安が一気に押し寄せ、こらえきれず泣いてしまいました。
そばに着いていてくれた看護師さんが「大丈夫だよ。」と声をかけてくれ、涙をふくガーゼを渡してくれました。
副医院はエコーを見終わり、
「ブツブツ言って不安にさせてごめんなさいね。 赤ちゃんは元気です。
ただ手足が短く、四肢短縮症(ししたんしゅくしょう)の疑いがあります。
国立病院に紹介状を書くのでしっかり診てもらってください。」
と。
そしてエコー写真をもらい診察室をあとにしました。
さっきそばに着いてくれていた看護師さんが、「びっくりしたよな…」と声をかけてくれました。
そしたらまた涙が出てきました。
そんなわたしを見て看護師さんは、
「大丈夫じゃからな、がまんせず泣いたらええからな。」
と言って泣きじゃくるわたしの背中をさすって落ち着かせようとしてくれました。
でも、もうわたしの涙腺は崩壊状態でした。
「なんで なんで?こんなに胎動もあるのに…」
とか言いながらひたすら泣いてたような気がします。
順調だったはずの妊娠。一体なんで? なにが起こっているの?
今振り返ると、この時はまだ何もわからず、全然頭が整理できていませんでした。
この日のことは、きっと一生涯忘れないと思います。
あの日わたしを支えてくださった看護師さんのことも忘れません。
妊婦さんの心に寄り添ってくれる看護師さんは、不安を抱える妊婦さんにとっては特に心強い存在だと思います。
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