第3章3-5⑫教育との関わり
病院にて 学校・医療者(訪問チーム含む)・家族でのカンファレンス 2020/10/16
病院から病気の現状と発達障害について
発達障害の発覚時から不登校の経緯もあり、かかりつけの病院から「一度学校側とカンファレンスしましょう!」と提案してくださり、ソーシャルワ―カーから学校へ、アポイントを取ってくれました。
この日が3度目のカンファレンス、場所は倉敷中央病院内で行われました。
コロナ禍だったこともあり少し先にはなりましたが、来年度中学3年生の進級で揉めているこの時期になんとか間に合いました。
今回のカンファレンスの目的は『病状の共有と来年度の進級先について』です。
まずはそれぞれの関わりと現状について話がありました。
病院から病気の進行と発達障害の診断
医療者側から病気の進行具合や治療について、前回のカンファレンスの時から大きな変化はないということ、発達障害の診断についても話がありました。
この時に、以前わたしが伝えそびれたASD(自閉スペクトラム症)についても診断が付いているという話が学校側にも共有されました。
特別支援コーディネーターに「支援級に入れない」と言われていましたが、「支援級に入れる権利がある」ということを学校側も改めて認知してくれました。
「これまでは病気のせいで継続すること、挑戦することが少なく、成功体験をする機会がなかったから自信がなく、うまく取り組むことができなかったこともADHD・ASDの特性であると考えると理解できる」という見解も話してくれました。
その他は水分・塩分制限について隠れて摂りすぎていることから、それを辞めさせるために制限を緩和して調整しているところだという話がありました。
訪問チームから家庭での問題
訪問チームからは発達障害や日常の困りごとを解決するために関わっているという内容で、「飲んではいけない水分(水槽やペット用の水)を飲む、冷凍のミンチ肉を食べる、家庭内の調味料の過剰摂取などしてはいけない行為について改善を図っている」という話がありました。
学校から学校での様子報告
学校からは「登校した日は授業を受けられている、人前で話すことは大丈夫、体育の授業は休むことが多い、好き嫌いがはっきり態度に出やすい、周りの子(生徒)たちは助けてくれることが多い、コミュニケーションを自分から取りづらい、校外学習での周りの助けがあっても本人の中で関わりを感謝に変えることができていない、言葉が出ない」など学校での椿の過ごし方について報告がありました。
来年度についての見解
来年度の進学先について、医療者は『医療従事者側の意見としては全員一致で、普通校の支援級で考えている』と心強く意見してくださいました。
医療者は常に「本人、家族がどう過ごしたいか」を優先して動こうとしてくれ、可能な限り叶うように進んでくれました。
その上で、今回学校側が椿を支援級に入れることを拒んでいる理由と原因をはっきりさせて、学校側の不満や不安要素を解決し、本人が望む場所で過ごせるように環境を整えていく話し合いを勧めていく予定でした。
医療者側から「学校の方で困っていることを明確に教えてほしい」と聞いてくれ、学校側としてこの2年間の本人の様子を見ての正直な意見を述べてくれました。
「2年生の1学期までは、1年生の時と比べても自分から積極的に黒板消しの役割をこなしたり、同級生の名前を把握しようとノート配りをしてクラスの一員である認識を持てているように感じ、本人なりにがんばっている姿勢も感じられていました。でも…」
以上の事から考えても、早島支援学校へ転校した方が良いのではないかと、学校側はこの時も同じ意見で、受け入れる体制ではないことが明らかでした。
とはいえ、まだ2年生の途中。
発達障害が発覚したこともふまえて、ここからは椿も同席して今後の対応を明確にしておこうということでみんなで意見を出し合い、以下のことが決まりました。
【環境調整法】 学校と情報交換をする→共通の理解と認識を持って接することが大切!
【認知行動療法】 本人のスキルに合ったペースで成功体験を積み重ねるプロセスが大事!!
現状で本人が困っている問題を解決するために、学校にも協力と理解を仰ぎながら話をまとめていきました。
目先の目標共有はできたけど進学先については煮えきらず…といった会になりましたが、医療者側の意見「支援学級への希望」は伝わったので心強く、安心しました。
学校側の率直な意見を聞いてもなお、本人、家族、医療チームとしては支援級への望みを捨てきれないので、「一度支援級の見学をしてみてはどうか」と医療チームから提案があり、学校側と後ほど日程調整して支援級の見学に行く約束をしてその日は解散となりました。
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2-8 ①発達障害発覚までの経緯-1
2-9 ①発達障害とは?
2-10 ①命のカウントダウン
2-11 ①最期の14日間-1
3-1 ①病気と共にある生活とは
3-2 ①闘病と家族の在り方
3-3 ①医療との関わり
⑫教育との関わり
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